史跡紹介
【九品寺】葛城道にある素晴らしい屋根瓦の寺
探訪日:2015年12月6日
掲載日:2016年2月2日
歴史
九品寺は聖武天皇の詔によって、行基が開いたと言われています。
行基は東大寺の大仏建立に力を注いだ僧です。
境内には「千体石仏」があります。
これは南北朝時代、御所城主の楢原氏は南朝方の楠木正成に味方し、北朝と戦った際に、家族や地元の人々が身代わりのために石仏を掘り、菩提寺である九品寺に奉納したとされています。
そのため「身代わり石仏」とも呼ばれています。
九品寺は永禄元年(1558年)に浄土宗へ改宗しています。
ご本尊は国の重要文化財に指定されている「木造阿弥陀如来像」です。
九品とは?
仏教用語で9つの階位を表しています。
上中下の3つをそれぞれさらに3つに分けます。
上上・上中・上下・中上・中中・中下・下上・下中・下下
浄土宗では、極楽浄土に生まれたいと願う者の、9段階の往生の仕方がある、という考え方です。
九品の一部は「上品」「下品」の語源とされています。
本堂の蟇股
本堂は少し古く感じるのが趣があり、立派な柱と繊細な装飾で我々を迎えてくれます。
蟇股には「兎」と「波」の装飾が施されていることを住職に教えて頂きました。
これを意味することはわかりませんが、色々思いを巡らすのは史跡巡りの醍醐味!
千体石仏
本堂を裏手に回ると山があり千体石仏が並んでいます。
「千体」とありますが、実際は1500以上あります。
本堂の屋根
千体石仏の山の途中では、本堂の屋根と同じ高さになり、屋根を近くで見ることが出来ます。
その見事さは圧巻で、美しい曲線を描いております。
また、屋根全体の美しさを際立たせているのが、瓦です。
有名な瓦職人の手によって作られているので、瓦関連の同業者が見に来るほどだそうです。
これほど見事な屋根を近くで見れる機会は無いので、本堂の屋根を見るだけでも寺院へ参拝する価値はあると思います。
こぼればなし
九品寺の北側には「駒形大重神社」があります。
持参した本の説明には、大化の改新の際に、中大兄皇子から蘇我入鹿の暗殺を命じられた「葛城雅犬養連網田」を祀っていると書かれていました。
しかし、現地の案内には別の記述がされていました。
史跡情報
九品寺
住所:奈良県御所市楢原1188
関連サイト:http://goseshikankou.jp/syousai/otera-zinzya/katuraginomiti/kuhonji/kuhonji.html